個人型確定拠出年金(iDeCo)はメリットが多いとの触れ込みです。くろいぬにとって節税効果が高いのか検証してみました。
メリットとデメリット
メリットは以下の3点。デメリットは60歳になるまで引き出せないことです。
3点のメリットについて検証します。
①掛け金全額が所得控除
所得税と住民税が軽減されるとのこと(年収によって軽減税率が異なります)。仮に年収が20年間500万円固定として計算します。
くろいぬの掛金は月2万3,000円ですので年間27万6,000円が所得控除対象となります。年収500万円の場合、所得税と住民税はどちらも10%のため、控除される額は所得税(2万7,600円)、住民税(2万7,600円)の計5万5,200円になります。←配当金ライフの資金に毎年回せます
20年で計算すると110万4,000円。掛け金の総額が552万円なので約20%も戻ってきます。
節税効果は高いと言えます
②運用利益が非課税
投資信託で得られた利益は20.315%の税金が引かれますが、iDeCoではこの税金が免除されます。
20年の掛け金総額は552万円。運用利率3.0%で20年間運用すると763万円となり得られた利益は211万円。この利益211万円の20.315%の税金42.8万円が免除となります。
節税効果は高いと言えます
③受け取り時に一定額まで非課税(退職所得控除)
一時金か年金どちらで受け取っても退職所得控除が適用されます。退職所得控除額は積み立て年数によって計算方法が以下に分かれます。
積み立て年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円✖積み立て年数(最低額80万円) |
20年超 | 70万円✖(積み立て年数 – 20年)+800万円 |
ここで注意するのが退職所得控除額は会社の退職金にも適用される点です。
積み立て年数の定義は会社の勤続年数とiDeCoの積み立て年数の長い方となっています。勤続年数を30年とすると退職所得控除額は1,500万円(70万円✖(30年 – 20年) + 800万円)となります。
次に注意するのがiDeCoの受けとるタイミングで税金が変わる点です。
くろいぬが想定する2パターンで説明します。
会社の退職金とiDeCoを同じ年に受け取る場合
退職所得控除額は先ほど計算した1,500万円になります。iDeCoの受取り額は763万円を見込んでいますので会社の退職金の控除対象額は737万円となります。そのため退職金が737万円を超える分は税金が掛かる計算になります。退職金が1,500万円を超える場合、全く節税効果はないです。
先にiDeCoを受け取り、後から会社の退職金を受け取る場合
定年延長が確実な将来はこのケースになると思います。退職所得控除はiDeCoと退職金の受取期間を「5年」空けると、それぞれの受け取り時に退職所得控除をフルに使うことができると記載されています。つまり、60歳でiDeCoを受け取り、65歳で会社の退職金を受け取れば、2回の受け取り時に退職所得控除をフルに利用できることになります。
くろいぬの場合を当てはめてみます。
退職所得控除額は1,500万円です。
60歳のiDeCo受け取り額は763万円なので全額税金は掛かりません。
65歳の退職金受け取り時も1,500万円まで税金が掛かりません。
このことからくろいぬの場合、先にiDeCoを受け取り、その後5年以上経過してから退職金を受け取ると節税効果が高いことがわかりました。
従って、適切な受け取り方にすると節税効果は高いと言えます。
以上、個人型確定拠出年金(iDeCo)は①~③の特徴が謳われていますが、くろいぬの場合、高い節税効果が見込めそうです。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。