その他外国株全般

先進国は豪州、カナダ、欧州各国、シンガポール、新興国ではインド、ブラジル、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンについて記載します。

☆まとめ

  • SBI証券が全般的に使い易い(フィリピン株はアイザワ証券のみ)
  • 高配当銘柄は他の市場と同じで石油/鉱業、消費財、銀行、通信
  • インド株は配当利回りが低水準で選択肢に入らない

1. その他外国株の取引き

その他外国株の国籍

先進国は豪州、カナダ、欧州各国、シンガポール、新興国ではインド、ブラジル、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンについて記載します。

証券会社

米国、英国、中国、ベトナム以外の外国株を取り扱っている証券会社をまとめました。

豪州、カナダ、欧州各国、インド、ブラジルの銘柄はADR(米国預託証券)という形でニューヨーク証券取引所(NYSE)、ナスダック(NASDAQ)に上場しており米国株と同様の取引が可能です。 

上記以外の国は各国の市場に上場しており取引可能な証券会社を以下の表に載せます。

  シンガポール タイ マレーシア フィリピン インドネシア
楽天証券  
SBI証券  
藍澤証券

フィリピン株を売買しないのであれば楽天証券もしくはSBI証券が良いです。楽天証券とSBI証券は取引可能市場が同じですが、売却時もしくは配当金受け取り時の通貨に違いがあります。

楽天証券は日本円で口座に入金されますが、SBI証券は現地通貨で口座に入金されます。そのため円安時に日本円に交換可能なためSBI証券の方がお勧めです。ちなみにアイザワ証券の受け取り通貨は楽天証券と同じ日本円になります。

なお上記3つの証券会社は口座開設および維持手数料が掛かりません。

手数料

豪州、カナダ、欧州各国、インド、ブラジルの銘柄はADR(米国預託証券)のため米国株と同じ0.495%になります。

東南アジア及びフィリピンの銘柄は以下になりアイザワ証券がやや高めです。

  シンガポール タイ マレーシア フィリピン インドネシア
楽天証券 1.14% 1.11% 1.11% 1.15%
SBI証券 1.10% 1.10% 1.10% 1.10%
アイザワ証券 1.65% 1.65% 1.65% 1.65% 1.65%

配当金及び外国税

年1回から4回の配当を出す銘柄がほとんどです。国によって配当月が異なるため組み合わせ次第で毎月一定の配当金収入が見込めます。ただ、先進国以外の銘柄はベトナム株ほどひどくはないですが、配当の時期や回数が変わります。外国税も0%~30%とばらつきがあるので銘柄選定には注意が必要です。

2. 高配当銘柄

高配当銘柄は石油/鉱業、消費財、銀行、通信になります。以下の配当利回りは20年4月13日の値、配当月は19年の配当支給日を表しています。

【石油/鉱業 】

銘柄(国) 配当利回り 配当月
エンブリッジ(カナダ) 8.52% 3月 / 6月 / 9月 / 12月
BHPグループ(豪) 7.44% 3月 / 10月

エンブリッジ

北米で石油 & ガス運輸サービスを営む会社です。高配当かつ減配リスクの低い会社で20年4月の利回りは8.52%となっています。カナダ籍の会社は配当金に外国税15%徴収されますが、それでも7.24%と魅力的な値です。

BHPグループ

鉄鉱石、石炭、石油、ボーキサイト(AL原料)を取り扱う世界最大の鉱業会社です。寡占企業のため商品市況の影響を受けにくく業績の変動は小さいです。配当利回りは高く、特別配当など急に配当金がもらえたりする嬉しいサプライズのある銘柄です。

【消費財】

銘柄(国) 配当利回り 配当月
タイベジタブルオイル(泰) 6.14% 5月 / 9月
ユニリーバ(蘭/英) 3.65% 3月 / 6月 / 9月 / 12月
ユニリーバインドネシア(尼 3.65%  6月 / 12月

タイベジタブルオイル

タイの大豆食用油の製造・販売会です。近年、パーム油の代替として大豆油の需要が伸びており、売り上げ/利益ともに安定しています。そのため当面は安定配当を期待できると思います。タイは外国税が10%掛かり、実質利回りは5.52%と下がりますが、くろいぬの長期保有銘柄です。

ユニリーバ

食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品を製造・販売する世界有数の消費財メーカーです。今回のコロナショックでも値下がり幅が小さく配当利回りもそれほど高くなっていません。暴落局面で買い増しを狙っている銘柄です。英国籍(UL)と蘭国籍(UN)の2銘柄がADRとして上場していますが、英国籍(UL)であれば外国税は掛かりません。蘭国籍(UN)の場合、外国税が30%も掛かり手取り利回りが大きく減少してしまうので注意してください。配当が年4回で長年安定しているので配当金ライフには欠かせない銘柄になっています。

ユニリーバインドネシア

ユニリーバのインドネシア法人。業績は売上/利益ともに順調に伸びており、配当利回りも3.48%と本家並みです。しかし、外国税が30%と高く、実質配当利回りが2.44%となるため配当金ライフにはお勧めではありません。ただ、急成長国で株式分割など期待できますので株式自体の魅力は高いと思います。くろいぬも株価が低迷している現時点で購入を考えている銘柄になります。

【銀行】

銘柄(国) 配当利回り 配当月
バンコク銀行(タイ) 6.31% 5月 / 9月
サイアム商業銀行(タイ) 9.12% 5月 / 9月
マラヤンバンキング(マレーシア) 8.44% 6月 / 10月
ウエストパックバンク(豪州) 11.96% 1月 / 7月

バンコク銀行

タイ国内第1位で東南アジアでも有数の銀行。業績も安定していますが、ここ5年の配当利回りは3.5%と低めでした。しかし、コロナショックで配当利回りが6.31%となり、外国税10%を考慮しても実質利回りが5.68%なので買い場とみています。

サイアム商業銀行

タイを代表する銀行。ここ5年でも業績は安定しており、高配当を維持しています。配当利回りは9.12%とかなり高いですが、くろいぬはバンコク銀行を推します。

マラヤンバンキング

マレーシアの大手商業銀行で国内の時価総額最大の会社です。シンガポール、インドネシアでも業務を拡大し、イスラム系銀行業務も手掛けています。配当利回りが高い銘柄でここ5年は6~7%で推移しています。外国税も掛からないので配当金ライフには欠かせない銘柄だと思います。

ウエストパックバンキング

オーストラリア2位の銀行で株主還元に積極的な会社です。19年11月に15%の減配と25億豪ドルの増資を発表し、株価が急落しました。コロナショックで更に値下がりし、配当利回りは驚異の12%となっています。しかし、減配の理由は不正行為による罰金の支払いや法令順守に伴うコスト増で今後利益率が下がる見込みです。しばらくホールドしますが、買い増しは考えていません。

【通信】

銘柄(国) 配当利回り 配当月
シンガポールテレコム(星) 6.32% 1月 / 7月
星:シンガポール    

シンガポールテレコム

アジアでトップクラスの通信会社になります。ここ5年、配当利回り5.5%前後と安定しており、外国税も0%なので配当金ライフのレギュラー銘柄です。同じ期間、規模の劣るスターハブは減配をしているのでトップ企業は低リスクだと思います。

3. 失敗銘柄

アンハイザー・ブッシュ・インベブ

ベルギーのビール会社で業績の変動が少なく安定配当を期待して購入した銘柄です。購入時、外国税を理解していなかったため手取りの少なさにびっくりしました。配当利回りは4.65%と良好でしたが、外国税が39%も掛かり、実質利回りが2.84%でした。スイスの製薬メーカー「ノバルティス」も外国税が35%で同じ目に遭いました。

ペトロブラス(現在はブラジル石油公社)

ブラジルの国営石油会社で2014年の汚職問題発覚以降、配当支払いが見送られています。株価も急落したままで苦い思い出しかありません。新興国の株式は不確定要素が多いので少額に留めておくべきだと痛感しました。

4. 最後に

先進国の株式は配当金ライフに安心して任せられるのですが、新興国はまだまだ銘柄選定に注意が必要です。個人的には外国税0%のインドに期待をしているのですが、配当利回りが低水準でまだ選択肢に入ってきません。ブラジルは高配当銘柄が見受けられますが、もう少し調べてから再度購入を考えています。フィリピンは成長国で高配当銘柄もあるのですが、外国税30%がネックとなっています。

私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。