マラヤンバンキング

20年4月にマラヤンバンキング(MBBM)の配当額の発表がありました。予想外の増配(0.32MYR → 0.39MYR)で嬉しい反面、今後も持ち続けて問題ないか銘柄の再点検をしてみます。

ここ5年のIR情報を確認しました。その結果、業績・収益性・財務において懸念点は見られませんでした。
しかし、コロナショックで東南アジア全体の経済が打撃を受けており、域内で幅広く業務を手掛けている同社の収益ダウンは避けられないと思います。株主還元に関しても配当性向が80%と高く、今までのように高配当を維持できるかは少し難しいと考えています。

今後、減配リスクは残りますが、配当金ライフのポートフォリオとして引き続きホールドとします。その理由は現時点の配当利回りが7.0%超えと高く、外国税も掛からないため減配しても5.0%近くは維持できると予想しているからです。

1. はじめに

世界の株式市場は2020年3月のコロナショックで急落しました。マレーシア株も同様で今後、企業業績の悪化が見込まれます。今回のコロナ禍で安定配当を期待できるのか再点検してみました。

今回は マラヤンバンキング(MBBM)です。

2. 企業紹介

マレーシアで最大の商業銀行でシンガポール、インドネシアでも銀行業務を行う東南アジア有数の企業です。イスラム金融事業も手掛けており順調な成長が見込まれています。

3. 売上高と純利益の推移(過去5年間)

売上高は2016年以前のデータが見つからなかったため2017年から3年間のデータになっています。売り上げ、純利益ともに微増で安定しています。特に問題はないように見えます。

4. 収益性の推移(過去5年間)

EPS、ROEともに安定しています。ROE目標を10-11%に掲げており過去5年、達成できているのは好感が持てます。収益性は問題ないように見えます。

5. 配当性向の推移(過去5年間)

配当性向は80%前後で安定しています。株主還元に積極的な姿勢に変化は見られなく安心できます。

6. キャッシュフローの推移(過去5年間)

銀行業のキャッシュフローは意味がないと評されていますが、一応確認しておきます。FCFが15年、16年、19年と3年マイナスになっています。他業種では厳しい傾向と判断しますが、銀行業ではよく見られるため判断は保留とします。もう少し自分なりに勉強して追記予定とします。

7. 財務の推移(過去3年間)

銀行業の自己資本比率の目安は他業種と異なります。BIS規制で国際業務を行う銀行は自己資本比率が最低8%以上必要となっていますのでこの値を基準に判断します。その結果、自己資本比率が9-10%で財務体質に問題はなさそうです。

ここ5年のIR情報を確認しました。その結果、業績・収益性・財務において懸念点は見られませんでした。
しかし、コロナショックで東南アジア全体の経済が打撃を受けており、域内で幅広く業務を手掛けている同社の収益ダウンは避けられないと思います。株主還元に関しても配当性向が80%と高く、今までのように高配当を維持できるかは少し難しいと考えています。

今後、減配リスクは残りますが、配当金ライフのポートフォリオとして引き続きホールドとします。その理由は現時点の配当利回りが7.0%超えと高く、外国税も掛からないため減配しても5.0%近くは維持できると予想しているからです。

この銘柄は保有して5年になります。今後とも配当金ライフに長く貢献してくれる銘柄だと確信しています。

マレーシア株の情報はアイザワ証券が便利です。

私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。