シンガポールテレコム

18年にシンガポールの通信大手スターハブが大幅減配をして売却した経緯があります。今回のコロナショックで最大手のシンガポールテレコム(STEL)にもそのような懸念がないのか銘柄の再点検をしてみます。

ここ5年のIR情報を確認してみました。その結果、業績・収益性・財務の全てにおいて懸念点はありませんでした。通信分野最大手の安定度を再確認する結果となっています。値上がり益を求める人には物足りなく不人気かも知れませんが、配当金収入を狙うくろいぬには魅力的です。

配当金ライフのポートフォリオとしては引き続きホールドとします。株価もリーマンショック以来の安値となっていますので買い増しする予定です。シンガポール株は外国税も掛からないのが更に嬉しいですね。
(シンガポールドルも2016年以来の安さになっています)

1. はじめに

世界の株式市場は2020年3月のコロナショックで急落しました。シンガポール株も同様で今後、企業業績の悪化が見込まれます。今回のコロナ禍で安定配当を期待できるのか再点検してみました。

今回は シンガポールテレコム(STEL)です。

2. 企業紹介

100年以上の歴史を持つアジア最大級の通信会社でシングテルの名称で呼ばれています。サービスの供給はシンガポールだけでなくインドネシア、インド、オーストラリア、アフリカにも進出し事業を展開しています。代表的な出資先はインドネシアのテルコムセル、インドのバルティ・エアテル、オーストラリアのオプタス、フィリピンのグローブ・テレコムが挙げられます。

3. 売上高と純利益の推移(過去5年間)

売り上げは安定していますが、純利益が19年だけ減少しています。この要因は出資先であるインドのバルティ・エアテルの追徴金に絡む特別損失であり、一過性のものと思われます。20年以降は純利益も回復予定のはずでしたが、コロナショックで多少回復が遅れると思います。

4. 収益性の推移(過去5年間)

バルティ・エアテルに絡む特別損失の19年を除いてEPS、ROEともに安定しています。収益性も問題ないと思います。

5. 配当性向の推移(過去5年間)

配当額は5年間ほぼ変化なく安定しています。配当性向も80%前後と株主還元に積極的で安心できます。

6. キャッシュフローの推移(過去5年間)

営業CFは50億SGDで安定しています。2017年にデジタル広告、映像配信など消費者向けデジタル事業の投資でFCFが一時減少しましたが、FCF額は投資前の1.5~2倍になっています。特に問題はないと思います。

7. 財務の推移(過去3年間)

自己資本比率、負債比率どちらも気になるレベルではありません。

ここ5年のIR情報を確認してみました。その結果、業績・収益性・財務の全てにおいて懸念点はありませんでした。通信分野の安定度を再確認する結果となっています。配当金収入を狙うくろいぬには魅力的ですが、値上がり益を求める人には不人気な銘柄だと思います。

 

配当金ライフのポートフォリオとしては引き続きホールドとします。株価もリーマンショック以来の安値となっていますので買い増しする予定です。シンガポール株は外国税も掛からないのが嬉しいですね。

この銘柄は保有して10年以上になります。今後とも配当金ライフに長く貢献してくれる銘柄だと確信しています。

シンガポール株の情報はアイザワ証券が便利です。

私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。