コロナワクチンの接種が各国で始まり、欧米では新規感染者数が大幅に減ってきました。まだまだ油断はできませんが、やっと終息の兆しが見えてきましたね。
株式市場は早くもコロナ終息を見込んで活況になっています。少しバブルの様相を帯びてきたため銘柄選びは慎重に行おうと思います。
中国株(香港・本土)は3~7月に配当権利確定銘柄が多く、今年から配当金を狙う人には良い時期だと思います。株価は2月下旬の米国株の急落を機に調整局面に差し掛かっており、銘柄選択を入念に行いたいと思います。
先日の記事で中国の銀行株を幾つか取り上げました。今回は銀行以外で高配当銘柄が多い電力・ガス、保険、不動産に焦点を当てて取り上げます。コロナショックから一足早く回復した中国でも配当状況にばらつきがありますのでそれらを紹介していきます。
☆中国(香港・本土)の電力・ガス銘柄 株価は2/26
銘柄 | 配当利回り | 株価 |
華能国際電力(00902) | 5.69% | 2.65 HKD |
大唐国際発電(00991) | 5.75% | 1.13 HKD |
華潤電力控股(00836) | 6.35% | 9.03 HKD |
華電国際電力(01071) | 7.51% | 2.13 HKD |
中国電力国際発展(02380) | 8.59% | 1.66 HKD |
私がチェックしているのは華潤電力控股(00836)です。配当が年2回あり、業績も下げ止まっているため減配の可能性が低いと判断しています。
他に興味があるのは中国電力国際発展(02380)です。配当は年1回ですが、株価が8年前の水準まで低迷し、狙い目と考えています。また、この銘柄は業績が良かった2017年に無償増資(3株に付き1株)を実施しており、株主還元に積極的な会社です。今後のグッドサプライズを期待しながら保有するのも一つの楽しみだと思います。
ガス銘柄は残念ながら配当利回り4%を超える銘柄は見つかりませんでした。定期的にチェックしている銘柄で業績好調、しかし配当利回りが残念なENNエナジー(002688)は相変わらず株主還元に消極的です。この銘柄が株主還元に積極転換したときは保有銘柄に加える予定です。
中国株は高配当銘柄が多く、どの銘柄を選択するか迷ってしまいます。そんな時、私が配当金ライフ保有銘柄で重視するのは分配回数です。毎月一定額の配当金収入を目指しているので、年1回より複数回貰える銘柄を選択します。
☆中国(香港・本土)の保険銘柄
銘柄 | 配当利回り | 株価 |
中国人寿保険(02628) | 4.89% | 16.36 HKD |
中国人民財産保険(02328) | 8.59% | 5.87 HKD |
中国人民保険集団(01339) | 7.00% | 2.41 HKD |
中国人寿保険(02628)の配当利回りが急激に上昇しています。従来は2%前後でしたが、20年に4%を超え、21年も同水準の予定です。会社が株主還元に積極転換した可能性があります。例年3月末に配当内容が開示され、権利落ち日が6~7月のため発表を待ってから候補とするか決めようと思います。
中国人民財産保険(02328)は5%前後の高配当銘柄でしたが、20年に8%を超える驚異的な配当内容を発表しています。21年以降も8%前後の配当利回りを予定しており、保険業界が株主還元に積極転換した可能性があります。この傾向は中国人民保険集団(01339)にも当てはまります。
☆中国(香港・本土)の不動産銘柄
銘柄 | 配当利回り | 株価 |
中国光大環境(00257) | 6.08% | 4.44 HKD |
中国海外発展(00688) | 5.19% | 19.64 HKD |
路勁基建(01098) | 10.25% | 10.54 HKD |
首創置業 (02868) | 14.42% | 1.29 HKD |
首創置業 (02868)と路勁基建(01098)の配当利回りが10%超えと驚異的な水準です。
首創置業 (02868)は19年に無償増資(10株に付き5株)を発表しており、株主還元に積極的な会社です。但し、株価はコロナ前から低迷しており、不人気銘柄です。ここまで配当内容が充実しているのに株価が低いのは何かあるのではと勘ぐってしまい手が出せない状況です。
それに対し、路勁基建(01098)は以前保有していた銘柄で比較的安心できるため、不動産銘柄ではこちらを第一候補としています。
不動産銘柄でも長江デルタ地域に高速道路を運営しており、業績変動は他の不動産銘柄に比べて安定しています。配当利回りも10%前後で年2回貰えるのも魅力的です。株価もだいぶ下がってきたと見ているので保有銘柄に追加する予定です。
以上、高配当銘柄の多い電力・保険・不動産について幾つか取り上げてみました。コロナ禍でも高配当を維持している銘柄が多く、配当金ライフを実践する私にとって重要な市場であることを再認識しました。
外国株で配当金を受け取る時に注意が必要なのは外国税の有無です。中国株の場合、登記地で課税率が変わります。登記地が香港の場合は非課税(0%)で中国本土の場合は10%掛かります。各銘柄の登記地がどこかは分かりにくいですが、次のように考えてもらえれば大体当てはまります。
登記地が中国本土の銘柄(全上場銘柄の3割程度)
H株、レッドチップ株、A株、B株
登記地が香港の銘柄
上記以外
今回、配当利回りをチェックした銘柄がどちらに当てはまるかというと、路勁基建(01098)、ENNエナジー(002688)は登記地が香港(外国税0%)、それ以外の銘柄は全て登記地が中国本土(外国税10%)となります。
国内の源泉徴収税(20.315%)にプラスして掛かる外国税の存在は意外と手取りを減らしてしまいます。外国税も含めた銘柄選択をおススメします。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用して生活の助けとなればと思います。