【21年4月_中国高速道路銘柄】~増配率に着目した長期保有すべき銘柄は!?~

中国株(香港・本土)は3~7月に配当権利確定銘柄が多く、今年から配当金を狙う人には良い時期だと思います。しかし、株価はコロナショックで大きく下がったままの銘柄もあり、減配しても配当利回りが高くなっている場合があります。このように見かけ上、高配当になっている銘柄が自分の保有銘柄に含まれていないか確認し、必要があれば銘柄入れ替えを検討しようと思います。

先日の記事で中国の高速道路株を幾つか取り上げました。今回は配当利回りではなく増配率に着目して保有銘柄の状況を確認していきます。

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☆深セン高速公路(00548)

21年2月末の配当利回りは7.57%と優良銘柄です。配当額の過去5年の推移を確認すると21年はコロナの影響で11%減配していますが、それまでは毎年増配しており堅実な銘柄であることを確認できました。19年は特別配当を入れると+120%の増配でサプライズも期待できる銘柄です。

保有すべき銘柄と判断し、買い増しも考えています。

 年度 配当額(単位:HKD) 増配率(対前年比)
 17年 0.249
 18年 0.368 +48%
 19年 0.411(特別配当含まず) +12%
 20年 0.569 +38%
 21年 0.507 -11%

☆浙江滬杭甬高速公路(00576)

21年2月末の配当利回りは5.74%とまずまずの銘柄です。配当額の過去5年の推移を確認すると、コロナの影響を受けた21年でも8.8%の増配です。過去5年は増配と減配を繰り返しており、配当額にほとんど変化がありません。株価もその間、ほぼ変動していないため、長期保有銘柄としては安心できる銘柄だと思います。

 年度 配当額(単位:HKD) 増配率(対前年比)
 17年 0.401(特別配当含まず)
 18年 0.361 -10%
 19年 0.427 +18%
 20年 0.388 -10%
 21年 0.422 +8.8%

☆江蘇寧滬高速公路(00177)

21年2月末の配当利回りは5.58%とまずまずの銘柄です。配当額の過去5年の推移を確認すると、コロナの影響を受けた21年でも8.0%の増配です。過去5年は増配と減配を繰り返していますが、配当額にほとんど変化がないため安定配当を期待できます。株価は過去5年下がり続け、配当利回りが高くなっており、買い増し候補と考えています。

 年度 配当額(単位:HKD) 増配率(対前年比)
 17年 0.482
 18年 0.538 +12%
 19年 0.523 -2.8%
 20年 0.503 -3.8%
 21年 0.543 +8.0%

☆四川成渝高速公路(00107)

21年2月末の配当利回りは6.27%と優良銘柄です。しかし、配当推移を確認すると注意が必要な銘柄になります。配当額の過去5年の推移は、17-20年は安定していましたが、コロナの影響を受けた21年は22%の大幅減配となっています。株価はコロナ禍で50%近く下がっているため、大幅減配でも配当利回りが高くなっているのはその理由です。来年以降、元の水準に増配すれば問題ないと思いますが、現時点では把握できないため当面購入は控えるつもりです。

 年度 配当額(単位:HKD) 増配率(対前年比)
 17年 0.126
 18年 0.122 -3.2%
 19年 0.114 -6.6%
 20年 0.120 +5.2%
 21年 0.094 -22%

☆深セン投控湾区発展(00737)

21年2月末の配当利回りは7.10%と優良銘柄です。配当額の過去5年の推移を確認すると20年はコロナの影響で50%減配していますが、特別配当を含めると19年と同水準でした。21年も半期の配当は例年と同等水準のため年間配当は復配すると想定されます。この銘柄は特別配当が17,18,20年に貰えており、サプライズも期待できる銘柄です。

保有すべき銘柄と判断し、買い増しも考えています。

 年度 配当額(単位:HKD) 増配率(対前年比)
 17年 0.232(特別配当は含まず)
 18年 0.254(特別配当は含まず) -3.2%
 19年 0.226 -6.6%
 20年 0.113(特別配当は含まず) -50%
 21年 0.109(半期分) 現時点で比較できず

☆安徽皖通高速公路(00955)

21年2月末の配当利回りは4.95%とやや物足りない銘柄です。配当額の過去5年の推移は、17-21年でほぼ変動なしの超安定銘柄です。配当額が安定しているため長期保有銘柄としては是非とも買い増ししたい銘柄です。株価は上昇基調のため下がったタイミングで買い増し候補として考えています。

 年度 配当額(単位:HKD) 増配率(対前年比)
 17年 0.23
 18年 0.23 変わらず
 19年 0.25 +8.7%
 20年 0.23 -8.0%
 21年 0.23 変わらず

 

以上、高配当の高速道路銘柄の増配率に着目して長期保有に適しているか確認してみました。現時点での買い増し候補は深セン高速公路(00548)深セン投控湾区発展(00737)がベスト、浙江滬杭甬高速公路(00576)と江蘇寧滬高速公路(00177)がベターと捉えています。

 

中国株は高配当銘柄が多く、どの銘柄を選択するか迷ってしまいます。そんな時、私が配当金ライフ保有銘柄で重視するのは分配回数です。毎月一定額の配当金収入を目指しているので、年1回より複数回貰える銘柄を選択します。今回の高速道路銘柄でいえば深セン投控湾区発展(00737)のみが年2回で他の銘柄は全て年1回となっています。

 

また、外国株で配当金を受け取る時に注意が必要なのは外国税の有無です。中国株の場合は特殊で登記地によって課税率が変わります。登記地が香港の場合は非課税(0%)で中国本土の場合は10%掛かります。各銘柄の登記地がどこかは分かりにくいですが、次のように考えてもらえれば大体当てはまります。

登記地が中国本土の銘柄(全上場銘柄の3割程度)
H株、レッドチップ株、A株、B株

登記地が香港の銘柄
上記以外

今回、配当利回りをチェックした銘柄がどちらに当てはまるかというと、深セン投控湾区発展(00737)は登記地が香港(外国税0%)、それ以外の銘柄は全て登記地が中国本土(外国税10%)となります。

国内の源泉徴収税(20.315%)にプラスして掛かる外国税の存在は意外と手取りを減らしてしまいます。外国税も含めた銘柄選択をおススメします。

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私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用して生活の助けとなればと思います。