中国プラスワンの動きでベトナム経済が急成長しています。経済成長期に恩恵を受ける業界はインフラ部門でベトナムでは水力発電、火力発電企業が上場しています。今回はファーライ火力発電(PPC)の過去5年のIR情報を確認してみました。
その結果、原材料価格の影響を受けやすく、将来、安定的に稼ぐ力が弱いと読み取りました。将来の減配リスクを覚悟した方が良いと思います。今後、配当金収入の銘柄としては力不足と考え、これから購入される方にはお勧めできないと考えます。
配当金ライフのポートフォリオとして引き続きホールドとしますが、大幅な減配発表(配当利回りが5.0%を下回れば)があれば即売却する予定です。
1. はじめに
世界の株式市場は2020年3月のコロナショックで急落しました。ベトナム株も同様で今後、企業業績の悪化が見込まれます。ベトナム株は驚異的な配当利回りを期待できましたが、今回のコロナ禍で安定配当を期待できるのか再点検してみました。
今回は ファーライ火力発電(PPC)です。
2. 企業紹介
ベトナムの電力会社で主に火力発電所の運営、保守及び管理を行っています。驚異的な高配当で有名な会社です。配当利回りが10%を超える年も珍しくありません。高成長は望めませんが、投資家に人気のある銘柄です。
3. 売上高と純利益の推移(過去5年間)
公益企業のため売上高、純利益ともに安定しています。今回のコロナショックでも他業種に比べて落ち込みは抑えられると思います。
4. 収益性の推移(過去5年間)
ここ2~3年でEPS、ROEともに約2倍となり、収益性が強化されています。
5. 配当性向の推移(過去5年間)
配当性向は60%に大きく下がりましたが、健全な姿になったと思います。高配当経営を掲げていますのでしばらくは高配当を期待できると考えています。但し、株式の無償増資は2007年、2008年以来実施されておらず、この先も期待できません。
6. キャッシュフローの推移(過去5年間)
営業CFが年によってマイナスやプラスでも低い値です。火力発電事業は原料価格の影響が大きく、安定した収益を確保できていないと思われます。FCFはプラスを維持していますが、固定資産売却などで投資CFをプラスにしているため将来の収益に不安を感じます。減配リスクを意識した方が良いと思います。
7. 財務の推移(過去3年間)
株主資本比率、負債比率とも大きく改善されています。財務体質は問題なさそうです。
ここ5年のIR情報を確認した結果、稼ぐ力が弱いため減配リスクを覚悟した方が良いと思います。今後、配当金収入の銘柄としては力不足と考え、これから購入される方にはお勧めできません。
配当金ライフのポートフォリオとして引き続きホールドとしますが、大幅な減配発表(配当利回りが5.0%を下回れば)があれば即売却する予定です。
10年近く保有していますが、驚異的な高配当でほぼ買値を回収した銘柄です。今後、減配しても損益通算で利用する銘柄との位置付けでしばらくは放置予定です。
引き続き配当金ライフ構築の資金を捻出していくためにも無駄な支出を継続的に抑えていこうと思います。
ベトナム株は藍澤証券、SBI証券が使い易いと思います。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。