ビングループ

新型コロナ対策の医療物資の生産拠点としてタイ・ベトナムが力を入れ始めたとの記事がありました。医療物資とはマスクや防護服、人口呼吸器などです。両国とも中国の代替拠点として投資を促し、生産体制を強化していく方針です。

これらの誘致で名前が挙がっているのはベトナムの複合企業、ビングループで、人口呼吸器の生産をスタートするようです。

ビングループは安定して配当を支払う銘柄ではないため、今まで着目していませんでした。しかし、新型コロナ銘柄として大化けする可能性があるので再検討してみます。
(安定配当を狙うというよりサプライズ銘柄になります)

 

ここ5年のIR情報を確認しました。その結果、業績は伸びているのですが、収益力の低下が気になります。また、営業CFがプラスを維持できていないことから多角化経営が上手くいっていない印象を持ちました。隔年ペースで株式配当が平均10~15%もらえるのは魅力的ですが、今後も同じペースで支払われるかは疑問が残ります。

今回の新型コロナで医療物資の生産拠点に乗り出すとのことですが、タイの企業との競争もあり収益力改善には力不足のように感じました。

従って、配当金ライフのポートフォリオ対象外 と判断します。サプライズ銘柄としても、ビンホアン水産などの銘柄の方が期待できるので現時点では購入を見送るつもりです。医療物資の生産が軌道に乗り、収益力の強化が確認されてからでも購入は遅くないかなというのがくろいぬの印象でした。

1. 企業紹介

ベトナム複合企業でメインは不動産事業になります。多角化戦略の一環で自動車生産、運輸業、医療物質の生産まで事業を拡大させています。時価総額がベトナムトップで経済発展の恩恵を最も受けやすい企業になります。

2. 売上高と純利益の推移(過去5年間)

売上高、純利益ともに順調に伸びています。売上げと比較して純利益の伸びが高く、今後期待できる銘柄だと思います。

3. 収益性の推移(過去5年間)

EPSは順調に伸びていますがROEはここ2年10%弱と低くなっています。多角化戦略が効率的な収益につながっていないように見えてしまいます。

4. 配当性向の推移(過去5年間)

ビングループは配当金の代わりに株式配当で株主還元しています(日本の証券会社から投資する場合は株式で受け取ることができないため株式配当分を現金で受け取ります)。過去の株式配当額の正確な値まで調べられませんでしたが、配当利回りにすると概ね20~30%となります。但し、株式配当が毎年あるわけではなく大体2年に1回のペースでもらえます。従って、過去5年の配当利回り平均は10~15%ぐらいとなり魅力的な水準です。
※2015、2016、2018年は株式配当がありましたが、2017,2019年はなしでした

5. キャッシュフローの推移(過去5年間)

営業CFがプラスを維持できていません。FCFもマイナスになる年が多く、多角化経営がうまくいっているように見えないのが気になります。

6. 財務の推移(過去3年間)

自己資本比率、負債比率ともに良好とは言えません。財務体質が少し気になります。

ここ5年のIR情報を確認しました。その結果、業績は伸びているのですが、収益力の低下が気になります。また、営業CFがプラスを維持できていないことから多角化経営が上手くいっていない印象を持ちました。隔年ペースで株式配当が平均10~15%もらえるのは魅力的ですが、今後も同じペースで支払われるかは疑問が残ります。

今回の新型コロナで医療物資の生産拠点に乗り出すとのことですが、タイの企業との競争もあり収益力改善には力不足のように感じました。

従って、配当金ライフのポートフォリオ対象外 と判断します。サプライズ銘柄としても、ビンホアン水産などの銘柄の方が期待できるので現時点では購入を見送るつもりです。医療物資の生産が軌道に乗り、収益力の強化が確認されてからでも購入は遅くないかなというのがくろいぬの印象でした。

今回のコロナショックで当面、配当金の減配発表が続いていくと予想されます。配当金ライフ構築の資金を捻出していくためにも無駄な支出を継続的に抑えていこうと思います。

ベトナム株の情報はアイザワ証券が便利です。

私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。