ベトナム株価指数が2018年のチャイナプラスワンで急騰した水準まで戻ってきました。株価上昇に伴い配当利回りが低下しており、銘柄入れ替えを進めています。銘柄入れ替えの着目点は『安定した配当額を今後も期待できるか』としています。
ベトナム株ー高配当銘柄の入れ替え(2021年4月)の記事で高配当銘柄を幾つか挙げました。その後、銘柄調査を進めるとまだまだ高配当銘柄が多く、銘柄入れ替え候補が多数あることに気づきました。従って、業界毎の高配当銘柄を整理していくつもりです。今回は生産材業界の候補銘柄を紹介していきます。
☆ドンフーゴム(DPR)
ゴム農園を運営するドンフーゴム(DPR)です。21年4月の配当利回りは10.2%と魅力的な水準です。過去5年の配当額を確認すると、17-20年は配当額がほぼ変わらず(18年は少し多めに上振れ)、安定して配当金が支払われていることがわかります。21年も半期だけの数値ですが、例年と同水準の配当金が期待できます。
配当額推移から今後の配当に懸念が少ないことを確認できました。ただ、私はゴム会社で苦い経験があります。17~18年に高配当銘柄のカシュミナ(CSM)を保有しましたが、購入後すぐに配当金が急減し、株価も大幅下落しました。ベトナム株は情報が少なくカシュミナ(CSM)で起こったことはどの銘柄でも有り得ると考えておいた方が良いです。
この銘柄に対する私のスタンスは少額なら投資しても良いと考えています。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 5,000 | – |
18年 | 6,000 | +12% |
19年 | 5,000 | -17% |
20年 | 5,000 | – |
21年 | 2,500 | 現時点で比較できず |
☆ドゥックタイン木材加工(GDT)
木製キッチン用品を扱う会社で21年4月の配当利回りは7.41%となっています。過去5年の配当額を確認すると、減配傾向が続いており注意が必要な銘柄となります。21年は半期の配当額が20年と同額のため年間配当額も同等水準と予想していますが、気になるのは20年の配当額が前年の20%も減配した点です。減配要因がコロナ禍による一時的なものか、会社の成長が鈍化して配当抑制に切り替えたのか どちらなのかしばらく様子見が必要と考えています。
業績は20年下期から回復しており、コロナの影響をさほど受けていません。今年の配当総額を確認後、投資対象とするか判断していくつもりです。
年度 | 配当額(単位:HKD) | 増配率(対前年比) |
17年 | 5,454 | – |
18年 | 5,454 | – |
19年 | 5,000 | -8.3% |
20年 | 4,000 | -20% |
21年 | 2,000(半期のみ) | 現時点で比較できず |
☆ハティエン1セメント(HT1)
21年4月の配当利回りは6.7%とまずまずの水準です。過去5年の配当額を確認すると、17~20年で1,200~1,500VNDと安定しています。業績はコロナ禍で20年はわずかに落ち込みましたが、概ね堅調となっています。
しかし、投資対象としてはいまいち魅力に欠ける銘柄です。他の銘柄に比べて配当利回りが特段高い訳でなく、特別配当のようなサプライズも過去に実施していないからです。
セクター別に多数銘柄を保有したい方には良いと思いますが、現時点で私は長期保有の魅力に欠けていると考えています。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 1,500 | – |
18年 | 1,200 | -20% |
19年 | 1,200 | – |
20年 | 1,200 | – |
21年 | 未発表 | 現時点で比較できず |
以上、ベトナム株で生産材業界の高配当銘柄を紹介してきました。この業界の高配当銘柄が想定より少なく驚いています。中国株の場合はセメント、ガラス、紙など高配当銘柄が多く、保有銘柄を迷った経験がありますが、ベトナム株は選択肢が少ないです。中国と同じような成長を辿っていても全く同じようにはならないのですね。
生産材業界ではドンフーゴム(DPR)のみが長期保有に適していると判断しています。ドゥックタイン木材加工(GDT)は今年の配当状況を確認してから考えます。
ベトナム株は外国税が掛からないため長期保有向きだと思います。しかし、ベトナム株の情報は日本で手に入れるのが難しいです。藍澤証券は比較的情報が豊富なため、口座開設しておくと助けになると思います。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用して生活の助けとなればと思います。