ベトナム株価指数が2018年のチャイナプラスワンで急騰した水準まで戻ってきました。株価上昇に伴い配当利回りが低下しており、銘柄入れ替えを進めています。銘柄入れ替えの着目点は『安定した配当額を今後も期待できるか』としています。
ベトナム株ー高配当銘柄の入れ替え(2021年4月)の記事で高配当銘柄を幾つか挙げました。その後、銘柄調査を進めるとまだまだ高配当銘柄が多く、銘柄入れ替え候補が多数あることに気づきました。従って、業界毎の高配当銘柄を整理していくつもりです。今回は電力業界の候補銘柄を紹介していきます。
☆ファーライ火力発電(PPC)
20年はコロナの影響で46%減配し、21年4月時点の配当利回りは4.82%まで低下しています。コロナ前は配当利回りが8%を超える優良銘柄だっただけに残念な結果となっています。
過去5年の配当額を確認すると17-19年は2,500~2,700VNDと安定配当でしたが、20年はコロナの影響で1,350VNDまで下がっています。21年は上期の配当額が1,150VNDと20年の同時期と比較して15%増配しており、17-19年水準まで戻ると予想しています。
この銘柄はベトナム株に見られる無償増資や特別配当といったグッドサプライズが少ないですが、10%前後という驚異的な配当利回りを貰える銘柄なので気に入っています。株価もコロナ前の水準に戻った程度ですので買い増しを検討するつもりです。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 2,500 | – |
18年 | 2,700 | +8.0% |
19年 | 2,500 | -7.6% |
20年 | 1,350 | -46% |
21年 | 1,150(半期のみの値) | 現時点で比較できず |
☆ペトロベトナムパワーニョンチャック2(NT2)
21年4月時点の配当利回りは11.3%と驚異的な値となっています。しかし、過去5年の配当額を確認すると19年は特別配当の影響で高くなっていますが、19年を除外すると低下傾向です。
業績を見ると年々悪化しており、配当額の低下は止まらないと予想されます。現時点の配当利回りが11.3%もあるので数年は高配当を期待できますが、長期保有には向かないと思います。
しばらく業績や配当額をウオッチしてから保有するか再検討する予定です。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 3,600 | – |
18年 | 3,000 | -17% |
19年 | 5,192 | +73% |
20年 | 2,500 | -52% |
21年 | -(未公表) | 現時点で比較できず |
☆タックモー水力発電(TMP)
タックモ―水力発電(TMP)の21年4月時点の配当利回りは7.14%です。過去5年の配当額を確認すると安定して配当金が支払われています。21年も現時点では半期のみの配当額しか公表されていませんが、昨年同等の配当額が予想でき、堅い銘柄です。配当金ライフの保有銘柄に適していると考えています。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 2,700 | – |
18年 | 2,700 | – |
19年 | 3,000 | +11% |
20年 | 3,000 | – |
21年 | 1,500(半期のみの値) | 現時点で比較できず |
☆タックバー水力発電(TBC)
タックバー水力発電(TBC)の21年4月時点の配当利回りは7.78%です。過去5年の配当額を確認するとタックモー水力発電(TBC)同様に安定して配当金が支払われています。この銘柄も長期保有に適した銘柄だと考えます。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 2,000 | – |
18年 | 2,500 | +25% |
19年 | 2,000 | -20% |
20年 | 2,000 | – |
21年 | 未発表 | 現時点で比較できず |
☆カンドン水力発電(SJD)
21年4月時点の配当利回りは11.3%と驚異的な数値です。しかし、過去5年の配当額を確認すると、年々低下しており20年は18年の40%の配当額に落ち込んでいます。現時点で配当利回りが高く魅力的ですが、長期保有を考えると安定配当が期待しづらく配当金ライフの候補外と判断しています。21年以降、配当額が上昇し、2000~3000VNDの範囲内で安定配当を継続できるか確認していきます。
年度 | 配当額(単位:VND) | 増配率(対前年比) |
17年 | 未記載のため不明 | – |
18年 | 4,500 | -10% |
19年 | 2,500 | -44% |
20年 | 2,100 | -16% |
21年 | – | 現時点で比較できず |
以上、ベトナム株で電力業界の高配当銘柄を紹介してきました。電力業界のリスクは発電源となる石油や水の調達リスクです。特に水力発電は気候変動によって雨の多いベトナムでも渇水リスクが出てきており、この点は留意して投資する必要があると思います。
今回紹介した銘柄で配当金ライフの長期保有候補はファーライ火力発電(PPC)、タックモー水力発電(TMP)、タックバー水力発電(TBC)と考えています。
ベトナム株の情報は日本で手に入れるのが難しいです。藍澤証券は比較的情報が豊富なため、口座開設しておくのが良いと思います。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用して生活の助けとなればと思います。