☆まとめ
- 低リスクの利付債と割引債(ゼロクーポン債)で魅力的な商品はない
- 債券ETFは分配利回りは低いが、配当金投資に組み込むべき商品
1. 債券の取引
債券とは
国や企業が資金調達のために元本の返済や利息の支払い条件を記載したものです。発行元が国/地方自治体/会社でそれぞれ国債/地方債/社債に分けられます。発行元が破綻しなければ利息と元本を確実に受け取れる商品になります。
債券の主な種類は利付債と割引債(ゼロクーポン債)です。利付債は定期的に利息(クーポン)が支払われ、割引債(ゼロクーポン債)は利息がない代わりに購入時に額面金額より安く(利息分)買うことができます。
利付債は2種類で、発行時に利率が固定された固定利付債と、市場金利によって変動する変動利付債となります。
発行された債券(既発債)はいつでも購入でき、満期を待たずに売却も可能です。但し、元本保証されるのは債券発行時の額面価格であり、途中で売買した場合は価格変動により損失(利益)が発生するため注意が必要です。
証券会社
楽天証券、マネックス証券、SBI証券などで取り扱っています。購入するときは新規に募集される新発債に申し込むか、既に発行された既発債のどちらかになります。また、国内/海外債券に連動したETFでも投資可能です。
手数料
国内、海外債券どちらも手数料は無料ですが、為替スプレッドが掛かります。ETFの場合は株式と同じです。但し、信託報酬が保有期間中、毎年掛かります。
為替スプレッド:売値と買値の差を表しており、例えば1ドル100円の場合、スプレッドが±30銭のときは買値が100円30銭で売値が99円70銭となります。スプレッドは各通貨によって異なります。
分配金及び外国税
毎月分配型から年1回までと幅広い商品があります。外国税は19年まで外国株と同じ税率でしたが、20年より撤廃され掛からなくなりました。
※20年1月1日の税制改正によって、投資信託を経由して支払った外国所得税の二重課税が生じないよう、分配金に係る源泉所得税の額から控除されることとなりました
2. 高分配銘柄
株式、REITと比べてリスクが低い分、分配金利回りも高くありません。しかし、新興国債権や社債は高リスクのため分配金利回りも高く設定されています。以下の商品は20年4月時点の分配利回りになります。
債券
利付債と割引債(ゼロクーポン債)どちらも分配利回りが低く(Maxでも1.2%)、選択肢から外しました。
債券ETF
市場コード | 銘柄名 | 分配金利回り | 信託報酬 | 決算月 |
1677 | 上場外国債券 | 2.76% | 0.15% | 毎月 |
1566 | 上場新興国債権 | 6.08% | 0.35% | 隔月奇数月 |
1486 | 上場米国債券 | 2.27% | 0.10% | 1、7月 |
1349 | ABF汎アジア債券 | 2.65% | 0.19% | 1、7月 |
上場外国債券
先進国債券に投資するETFです。比率は米国が50%近くを占め、残り45%近くが欧州や豪州で数%が新興国になります。毎月分配型で決算は毎月10日になります。購入金額は50万程度(十口単位)です。
上場新興国債券
新興国債権に投資するETFで一つの国の比率が10%を超えないように設定されています。隔月分配型で決算日は奇数月の10日になります。購入金額は一口4.2万円程度です。
上場米国債券
米国債券に投資するETFで為替ヘッジ有無の2種類あります。どちらも年2回の分配型で決算日は1月と7月の10日になります。購入金額は一口2万円程度で気軽に始められる商品です。
為替ヘッジ:為替の変動による外貨資産の円ベースの価値の変化を回避すること。売却時に円で保有する場合、為替ヘッジありの商品だと円高でも資産価値の目減りを回避できます。しかし、その代償として分配利回りが低く設定されています。売却時に外貨で保有する場合は為替ヘッジなしの商品がおすすめです。
ABF汎アジア債券
アジアの8つの国と地域で発行される現地通貨建ての国債および公債に投資したETFです。対象の国と地域は中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイになります。年2回の分配型で決算日は1月と7月の22日になります。購入金額は一口1.2万円です。
債券は分配利回りが低いですが、株式、REITと比べて値下がりしにくいため、配当金投資に組み込むべき商品だと思います。しかしながら、低リスクの利付債と割引債(ゼロクーポン債)は世界的低金利の現在、分配利回りが低く(Maxでも1.2%)、選択肢から外しました。従って、配当金投資には債券ETFを選択するのが良いと思います。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。