驚異的な配当利回りが魅力のベトナム株です。先進国に比べて配当の時期や回数が不安定ですが、無償増資など嬉しいサプライズも多く、保有して楽しい銘柄が多くあります。
☆まとめ
- アイザワ証券、SBI証券が使い勝手◎
- 高配当銘柄は電力、消費財、ガス
- 配当利回り10%を超える銘柄が多く、無償増資も期待できる
- 先進国と比べて配当時期や回数が不明瞭
1. ベトナム株の取引
ベトナム市場
ハノイとホーチミンの2市場から成り、時価総額の大きい企業はホーチミン市場に上場しています。
証券会社
ベトナム市場の銘柄は、アイザワ証券とSBI証券が取り扱っています。ニュース証券など他にも取り扱っている証券会社もありますが、使い勝手が良いのは前記の2つになります。
口座開設および維持に手数料が掛からないため、両方開設して使いやすい方を選ぶといいと思います。
藍澤証券のHP
https://www.aizawa.co.jp/
手数料
購入金額の1~2%と他の市場と比べてかなり高いです。売買を頻繁に行うには不利な市場です。
配当金及び外国税
年1回もしくは、2回の配当で配当利回り10%超える銘柄が多いです。更に無償増資を実施することが多く、株数が増えるサプライズも期待できます。例を挙げるとビナミルク(VNM)という銘柄は2009年、2011年、2012年、2014年、2015年、2016年、2018年に無償増資を実施しています。
しかし、先進国と比べて配当の時期や回数が不明瞭です。配当が0回の年もあれば4回くらい支払われるときもあります。例を挙げるとLIXという銘柄は18年まで安定して年2回の配当があったのですが、19年は配当が1回に減ってしまいました。このようにベトナム株を配当金収入の柱に据えるにはまだ早いと考えています。
配当金の支払い方法は証券会社によって異なります。SBI証券はベトナムドンで、アイザワ証券は日本円で口座に入金されます(為替の影響を受けます)。個人的にはベトナムドンで入金されるSBI証券の方が円安時に日本円に交換できるのでお勧めです。
2. 高配当銘柄
ベトナム株の高配当銘柄は非常に多いのですが、継続的に高配当を維持しているのは電力/ガスの公益事業、消費財・サービス分野になります。以下の配当利回りは20年4月13日の値、配当月は19年の配当支給日を表しています。
【公益事業 】
市場コード | 銘柄 | 配当利回り | 配当月 |
PPC | ファーライ火力発電 | 10.91% | 5月 / 9月 |
GAS | ペトロベトナムガス化学 | 7.87% | 6月 / 10月 |
ファーライ火力発電
ベトナムの電力需要は急激に伸びており、長期的に安定かつ高配当を期待できる銘柄だと思います。
ペトロベトナムガス化学
ガス供給会社で業績安定銘柄です。くろいぬも保有していますが、毎年配当金が安定しており、値下がり時の買い増しを狙っています。
【消費財・サービス】
市場コード | 銘柄 | 配当利回り | 配当月 |
LIX | LIX洗剤 | 4.24% | 12月 |
NNC | ニュイニョー石材 | 16.06% | 3月 / 11月 |
VNM | ビナミルク | 4.82% | 3月 / 6月 / 10月 |
DPM | ペトロベトナム化学肥料 | 9.56% | 3月 / 6月 |
NCT | ノイバイ貨物サービス | 14.44% | 4月 / 7月 |
LIX洗剤
生活用品を取り扱っている会社で日本の花王やライオンのような位置づけになります。衛生環境改善とともに成長していく会社だと思います。18年の配当利回りは10%超えだったのですが、19年は4%と変動が激しく安定配当を期待し過ぎないようにしています。
ニュイニョー石材
建築資材を取り扱う会社です。ベトナムではビルや住宅の建設ラッシュのため高配当なのも頷けます。しかし、19年の配当利回りは16%超と信じられないレベルでした。一過的なものと認識して過度な期待を持たない方が良いです。
ビナミルク
ベトナム最大の乳製品メーカーで時価総額1位の企業です。配当利回りは低いですが、安定的な配当が見込める企業として保有しています。
ペトロベトナム化学肥料
化学肥料の会社で原材料である原油価格の影響を大きく受けます。コロナショックによる原油価格急落で配当政策にどのような影響が出るのか注意が必要だと考えています。
ノイバイ貨物サービス
ホーチミンを基盤とする貨物サービス会社で主に韓国製品の物流を担っています。ベトナムは韓国資本の企業・サービスが多く、今後も取扱額が順調に伸びると思われますので高配当は維持されると考えています。
3. 失敗銘柄
◆ CSM(カシュミナ)
自動車の普及とともに業績拡大を期待しましたが、株価低迷&配当なしとなり売却。情報が少ないため失敗した理由をまだ分析できていません。ただ、高配当のみで購入した失敗銘柄の一つです。最近、業績は上向き株価も上昇していますが、しばらく手は出せません。
4. 暴落時に仕込みたい銘柄
今後も高成長が見込める国ですので暴落時は積極的に買いを入れる予定です。その中でくろいぬが目を付けている銘柄はビナミルク(VNM)です。
他の東南アジアにも積極的に進出して着実にシェアを伸ばしているのをみると今後も安定的に配当金収入が期待できます。
今回のコロナショックで当面、配当金の減配発表が続いていくと予想されます。配当金ライフ構築の資金を捻出していくためにも無駄な支出を継続的に抑えていこうと思います。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。