コロナの長期化で米国に居住する弟に送金する必要がありました。しかし、想定以上にハードルが高く苦労したので同じような境遇の方の参考になればと思いまとめました。
① 国際送金を取り扱う会社
銀行がまず思い浮かびますが、ネット専用銀行や送金サービス会社でも送金可能です。それぞれの特徴を比較してみました。
取り扱い場所 | 特徴 赤字はデメリット | |
銀行 | 都市銀行 地方銀行など |
手続きは銀行員が実施で安心 送金手数料が高い 送金手続きは平日のみ 為替手数料が高い |
ネット銀行 | ソニー銀行 楽天銀行など |
手続きは自分で実施 送金手数料は安め 送金手続きはいつでも可能 為替手数料がやや高い |
送金サービス 会社 |
TrasferWise Paypalなど |
手続きは自分で実施 送金手数料安め 送金手続きはいつでも可能 為替手数料が安い |
銀行だと国際送金の手続きに不慣れでも銀行員がフォローしてくれるので安心です。その分、手続きの時間が平日限定だったり、手数料も高めのため頻繁に利用する方には不向きだと思います。
それに対し、ネット専用銀行や送金サービスを利用する場合は夜間や休日でも手続きが可能になります。どちらも自分で手続きする分、手数料は安めになっています。為替レートの設定(為替手数料)に関してはネット専用銀行より送金サービス会社の方が安く設定されています。
② 国際送金に掛かる手数料
手数料には送金手数料、円貨送金手数料、海外中継銀行手数料、受け取り銀行手数料など各会社によって名称が異なり複雑になっています。ここでは各サービスの手数料を比較してみました。名称はソニー銀行に記載されているもので統一しています。
例:100万円を米国に送る場合の手数料
銀行 | ネット専用銀行 | 送金サービス会社 | |
送金手数料 | 8,500円 | 3,000円 | 6,392円 |
支払い銀行手数料 | 8,500円 | 3,000円 | 0円 |
組み戻し手数料※1 | 5,500円 | 5,000円 | 不明 |
為替手数料 (※2) |
約10,000円 (1円) |
約1,500円 (0.15円) |
0円 |
Total手数料 | 27,000円 | 7,500円 | 6,392円 |
※1 送金実行後に取り消しや受取金融機関から返却された場合に掛かる費用
※2 1米ドル当たりの為替手数料
送金サービス会社が最安値ですが、ネット専用銀行も十分安いと思います。銀行はやはり割高ですね。安心ラクチンなのでコストが掛かるのは仕方ない面はあるのですが、もう少し努力してほしいと思いました。
③ 送金手続きの準備1
はじめに国際送金手続きに必要なものを準備します。くろいぬが米国に住む弟に送金するケースで説明します。
手続きに必要なもの
・送金者の本人証明書(免許証やパスポートなど)
・マイナンバーカード
・兄弟であることを証明するもの(戸籍謄本全部証明書)
・送金先の住所
・送金先の銀行名、支店番号、口座番号
・Swift code(金融機関識別コード)
※Swift codeがあれば送金先の銀行名と支店番号は不要になります
兄弟の証明をする戸籍謄本が取り寄せに時間を要しました。本籍のある自治体から郵送で取り寄せ可能ですが、1週間~10日掛かります。取り寄せに必要な定額小為替(750円)を郵便局で購入しなければならないため平日に時間が取れない方は意外と大変です。
④ 送金手続きの準備2
ネット専用銀行や送金サービスで送金する場合は送金先の事前登録が必要になります。銀行で手続きする場合は必要ありませんので読み飛ばしてください。
事前登録に必要なのは送金手続きの準備1で揃えたものです。ここではソニー銀行を例に記載します。
1. マイナンバーを登録
2. 事前登録内容の審査を申請(以下の情報をソニー銀行に提出)
・受取金融機関情報(金融機関名、住所、SWIFT BIC、口座番号、中継銀行)
・受取人情報(お名前、住所、ご連絡先)など
・外貨送金を行う理由
3. 事前登録完了メールの受け取り
手続き3~10営業日で終了
ここでやっと準備が完了です。戸籍謄本の取り寄せや銀行への事前登録に要する日数は2~3週間も掛かります。急な送金が必要な方は手数料が高くても銀行で直接実施した方が良いと思います。
⑤ 送金手続きの実施
銀行で手続きする場合は『②送金手続きの準備1』で揃えたものを持参すれば銀行員が送金してくれます。手数料が高いだけにラクチンです。
ネット専用銀行は自分で実施します。ここではソニー銀行を例に記載します。
手順は簡単でソニー銀行にログイン後、外貨送金→送金依頼の順に進めて送金額を入力し送金手続き完了となります。送金が実行されるのは銀行の1~5営業日後、受け取り銀行に入金されるのは3~4営業日と日数が掛かります。
送金サービス会社を利用する場合も自分で実施になります。手順などは自分で処理してから改めて説明したいと思います。
今回、くろいぬはソニー銀行で手続きを行いました。必要書類を揃えるところから送金先銀行への入金に約1ヵ月も掛かるのはさすがに不便ですね。送金サービス会社も改めて検討しておく必要があると認識しました。
また、送金限度額も各サービスによって異なります。一度に100万円を超える額を送金する場合は銀行しか対応していないため使い分けが必要になってきます。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。配当金ライフに回すお金を増やすためにも各種手続きの手数料などにも気を配っていこうと思います。