米欧の政府や中央銀行が新型コロナによる政府支援企業に配当制限を課すとの報道がありました。また、銀行にも企業や家計の緊急融資のために配当停止で対応するよう要請するそうです。コロナ対策として世界的な流れですので日本を含め他の国でも同様の動きが続くと思われます。
配当金ライフを構築中のくろいぬにとって痛い報道ですが、仕方ありませんね。昨年に比べて配当総額が2~3割減るとの予想です。予想通りならくろいぬの想定より低くて助かりますが、さてどうなるでしょうか。(5割減を覚悟しています)
配当制限を受ける分野は銀行、運輸、商業、旅行などが考えられます。新型コロナ後の各高配当銘柄の配当額(1株当たり)をまとめました。
配当額は四半期の値で比較して前年同一四半期の値を載せています。
銀行 | 支払月 | 19年配当額 | 20年配当額 |
HSBC | 20年4月 | 0.16£ | 無配 |
ウェルズ・ファーゴ | 20年6月 | 0.45$ | 0.51$ |
バンク・オブ・アメリカ | 20年6月 | 0.15$ | 0.18$ |
シティグループ | 20年5月 | 0.45$ | 0.51$ |
三菱UFJ銀行 | 20年6月 | 22円※ | 25円※ |
みずほ銀行 | 20年6月 | 7.5円※ | 7.5円※ |
三井住友FG | 20年6月 | 180円※ | 190円※ |
※日本の銀行は年間配当額を記載
HSBCはコロナ前に配当利回りが7%前後あり、配当金ライフの柱だっただけに痛いです。しかし、コロナショックが落ち着けば必ず復配しますのでいずれ買い戻す予定です。株価はコロナ前の半値以下になっていますので仕込みどころだと考えています。
日米の各銀行は減配発表がありません。しかし、両国とも経済悪化の影響を織り込んでいないだけで後日、減配になると思います。米国は次回8月の発表時、日本は次回の秋に減配発表を覚悟した方が良さそうです。
運輸 | 支払月 | 19年配当額 | 20年配当額 |
デルタ航空 | 20年5月 | 0.35$ | 無配 |
アメリカン航空 | 20年5月 | 0.10$ | 無配 |
ユニオン・パシフィック | 20年6月 | 0.88$ | 0.97$ |
JAL | 20年6月 | 55円※ | 無配 |
ANA | 20年6月 | 37円※ | 無配 |
※日本の航空会社は配当額は前年同一半期の値
航空分野は日米とも全滅です。当面、航空需要は低迷しますので復配も期待できません。それに対し、米国の鉄道大手の『ユニオン・パシフィック』は増配発表で株価もコロナ前の水準に戻っています。配当利回りが2~3%と低いですが、高配当銘柄が少なくなっている状態では貴重な投資先だと思います。
JAL、ANAは無配でしたが、株主優待は予定通り届きました。株価はコロナ前から40%下落してますので飛行機を利用される方には投資価値があると思います。但し、優待券自体も廃止になる可能性は覚悟した方が良いです。
商業、旅行分野は個別株で高配当銘柄がないためここでは記載しません。しかし、不動産投資信託(REIT)の商業施設主体型、ホテル主体型は新型コロナの影響が大きく、減配がほぼ確実です。ホテル主体型のインヴィンシブル投資法人は98%減配を報告しており、他の商業施設主体型、ホテル主体型REITも同じ動きになると思われます。
新型コロナが世界経済に与える影響は大きく、今回挙げた銀行、運輸、商業、旅行分野以外にも配当縮小の動きが広がると思います。積極的な株主還元の見直し機運も高まっていますのでコロナ前の配当水準には戻らないと考えるべきかも知れません。しかしながら、配当金ライフは無理せずに不労所得を得られますのでくろいぬはコツコツと継続していく予定です。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用してゆとりある生活につながればと思います。