確定申告の季節がやってきました。一時的に徴収された税金が還付される大切な申請です。毎年、調べながら申告書を作成しているのですが、今後のために一度整理してみました。
同じような境遇の方や全く確定申告の仕方がわからない方は参考にしてもらえると幸いです。
まず、やることは『確定申告で税金が戻るか』を確認します。以下の項目に1つでも当てはまる方は確定申告で税金が還付されます。
思い当たる方は確認されることをおススメします。
・1年間に支払った医療費が10万円以上 ・住宅ローンがある ・年末調整で未申告の控除がある(保険料控除、iDeCo) ・ふるさと納税を実施 |
上記で一つでも当てはまる方は確定申告をした方が良いです。
では、確定申告書を作成していく手順を説明します。
①自分が使用する申告書の種類を把握
申告する収入(所得)の種類によって申請書類が異なります。3パターンに分かれますので自分がどれに該当するか確認してください。
A. 確定申告書Aを使用
収入(所得)の種類が以下の4つのみの方
・給与所得(勤務先からもらう給料)
・雑所得(公的年金や個人年金)
・配当所得(配当や分配金)
・一時所得(生命保険の満期、競馬などの払戻金)
B. 確定申告書Bを使用
収入(所得)の種類が上記4つ以外に以下の所得がある方が対象となります。
・譲渡所得(金などの売却)
・利子所得(国債や社債の利子)
・事業所得(自営の所得)
・不動産所得
C. 確定申告書B+申告書第3表(分離課税用)
収入(所得)の種類がAもしくはB以外に以下の項目に該当する方
・退職所得(退職一時金)
・山林所得(山林の譲渡)
・土地建物の譲渡所得
・株式の譲渡所得
・FX、先物取引の雑所得
万一、自分がどの確定申告書を使用してよいか不明な場合は確定申告書Bを使えば良いと思います。
② 収入(所得)の種類ごとの額を計算
各項目ごとに1年間の収入(所得)額を計算します。各所得の詳細は提出する必要があるため別途作成しておくと良いです。
③ 所得控除額の計算
収入から所得控除額を引いた額が所得額となり、この所得額によって税額が決まります。この所得額をいかに少なくできるかがポイントで所得控除を漏れなく申請することが重要です。
所得控除は以下の15項目になります。
・基礎控除(全ての納税者が対象で48万円)
・医療費控除(1年間で医療費の総額が10万円以上の方が対象)
・寄付金控除(ふるさと納税)
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど)
・地震保険料控除(最高5万円)
・配偶者控除(所得に応じて最高38万円)
・配偶者特別控除(所得に応じて最高38万円)
・扶養控除(所得金額が38万円以下の子、両親、兄弟 一人につき38万円)
・寡婦控除(27万円)
・ひとり親控除(寡夫控除から名称変更し、27万円)
・勤労学生控除(27万円)
・障害者控除(27万円、特別障害者は40万円)
・雑損控除(自然災害や盗難などの損失)
医療費控除とは1年間に支払った医療費の合計が10万円 (所得200万円未満は5%)を超えると対象になる 医療費控除額の計算は医療費の総額から10万円を引いた額 例:年収500万円の方が医療費15万円掛かった場合 医療費控除額は5万円(15万円ー10万円)で所得税率が20%なので確定申告することで1万円還付されます |
④税額控除額の計算
税額控除は以下の5項目になります。所得控除より税額控除の方が直接、税額から引けるため節税効果が高くなります。
・住宅ローン控除(10年間で最高200万円まで控除)
・配当控除(配当所得の10%を控除)
・外国税額控除(外国株の配当受け取り時に掛かる外国税)
・政党等寄付金特別控除(寄付額から2000円を引いた額の30%を控除)
・災害減免額(所得に応じて所得税が減免され、所得500万以下は全額控除)
住宅ローン控除とはローンの返済期間が10年以上の方が対象
控除額は年末の住宅ローン残高の1%の額(年40万円上限) |
⑤確定申告書の作成
①~④が揃ったらいよいよ確定申告書の作成になります。税務署で確定申告書を手に入れる以外に国税庁のホームページ(確定申告特集)から作成することも可能です。
ホームページから作成する場合、税額などの計算を自動でしてくれます。そのため入力ミスなどの間違いがあると指摘してもらえるため申告するならこちらをおススメします。
⑥確定申告書の提出
申告書をプリントアウトして居住地管轄の税務署に提出します。
提出期間は令和3年2月16日(火)~令和3年3月15日(月)の平日で期間中の2月21日(日)と2月28日(日)は臨時で提出可能です。
※令和3年の確定申告はコロナの影響で期限が1ヵ月延長されました
記載内容に不安な点は提出時にその場で質問ができます。修正して改めて提出することを考えると早めに動くのが安全だと思います。
還付金は提出1ヵ月後に指定口座に振り込まれます。大した額ではなくても臨時ボーナスは嬉しいものですね。毎年、還付金で美味しいものを食べることにしているので確定申告も苦になりません。やはりご褒美を設定するとモチベーションがあがりますね。
補足
確定申告を作成する際に不明点が出てきたら国税庁のHPの『タックスアンサー』が役に立ちます。また、AIを活用して自動回答するウエブサービス『チャットボット』も令和3年1月12日より始まっています。
上記で解決できない場合は最寄りの税務署に電話し、相談もできます。
私の経験が皆さんの役に少しでも立てば幸いです。金融資産を少しでも効率的に運用して生活の助けとなればと思います。